
なぜ繰り返し遊ぶことが重要なのか?

子どもに色々な経験をさせてあげたいと思うのは自然なことです。しかし、子どもに良かれと思って「これもしてあげたい、あれもしてあげたい」と大人から経験を与え過ぎることは、時にデメリットにもなります。遊びを繰り返すことには、どのような効果があるのでしょうか。
なぜ、飽きずに遊びを繰り返すのか?
楽しいことを繰り返したいと思うのは、大人も同じです。得意なこと、好きなことは繰り返しやりたい。また、繰り返しやりたいというのは、子どもたちの敏感期にも見られる行動です。
敏感期 モンテッソーリの教育理論の一つで、敏感期はある特定の事柄に対して、強い関心を持つ特定の時期を指す。マリア・モンテッソーリは、子どもたちが特定のスキルや能力を習得するためには、この敏感期が訪れる時期に適切な刺激や環境が必要であると主張する。
子どもたちが遊びを繰り返すのは一過性のものである場合が多く、思う存分遊びを繰り返して、自分でその動きを完全に獲得すると、1か月繰り返してやっていたこともパタンとやらなくなります。それは自分でその動き、あるいは探求したかったものが、自分の中できちんと腑に落ちたということを意味しています。
そのため、繰り返し遊ぶ姿は、自分が対象物の仕組みや構造に納得することや、動きを獲得するために大切な時間です。
自信に繋がる繰り返し遊び
とある保育園に折り紙を折ることが大好きな子がいました。折り紙をただ半分に折って、三角にすることをひたすら繰り返す。そして「折り紙ちょうだい、折り紙ちょうだい」と先生に言うんです。まだ作品にはできないけれど、三角になるのが嬉しい。
中には、家庭や保育園で、折り紙を大切にしたいので枚数制限をしていることもあると思います。この時に子どもに適切な環境を提供するために大人ができる工夫はどんなことがあるでしょうか?
例えば、この子の目的は折ることなので、全く人気のない茶色や灰色でいいわけです。また紙の大きさも子どもに適切なサイズであればいい。そうやって大人が適当に調整しながら、折り紙を渡す。この子は、もうどんなものでもひたすら折っていて、毎日毎日三角折りを繰り返す。その折った三角形を嬉しそうに持ち帰っていく。しばらく経った後、その折り紙はパタンと折らなくなりました。そして、三角を折れるようになったら、次は飛行機を折ったり、色んな折り方に発展していきました。
三角に出会える前はただ走り回って自分の遊びが中々見つからないお子さんでしたが、そこからは自分でできるっていう自信を付けたかのように様子が変わっていき、一人で座って集中して活動にのめり込む姿がありました。
適切な環境を提供し、子どもの興味や敏感期に合った刺激を与えること。繰り返し遊びを通じて、子どもたちの自信を育み、成長していく姿を楽しみましょう。