【学生時代は慎重派】社会人9年目で突然園長になった池田翔太園長が「新卒の自分にアドバイスをするなら?」
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【学生時代は慎重派】社会人9年目で突然園長になった池田翔太園長が「新卒の自分にアドバイスをするなら?」

 
学生時代は自分が園長になることを考えていなかったという池田翔太園長。新卒からわずか9年で突然の園長となった後、今ではエデュリーの園長として就任1年目で「どんな魔法を使って、一番人気の園になったんですか」と役所から言われるほどの結果を残している。学生時代は慎重派だった池田園長が「じっくり考えるよりも、自分の選択を正解にする力が重要」と考えるに至った背景に迫った。
 
記事に登場する人
新卒で川崎市の認定こども園の立ち上げを経験した後、渋谷区の小規模園の立ち上げを主任・園長として従事。2022年からポノ保育園の園長に就任。
 
 

主体性保育の道へ

「通っていた4年制大学がちょうど卒業と同時に付属のこども園を作ることになっていて、200名定員の新規園で8名の新卒募集がありました。100名ぐらい応募があったみたいですが、運良く採用していただきました」
 
新卒当時から、主体性保育ができる環境を探していた池田園長。大学の風土もあって、大学が立ち上げるこども園を社会人1年目に選んだ。大学のゼミで主体性保育の研究をしていたのかと聞くと、「全然違う」と斜め上の回答が返ってきた。
 
「一斉保育は、実習などで経験して僕の中ではあまりしっくりこなくて…お子さんそれぞれのいいところを伸ばせるような保育ができる環境がいいなって漠然と思ったんです。大学の風土自体がそんな環境だったので、その大学が作るこども園だから、何か厳しい感じにはならないのかなと思って決めました」
 
「実は中学からの成績で一番悪かったのが美術で、苦手意識がすごくあったんです。それが大学の美術の授業で『君の作品、うまくはないけど、面白いよ』って先生に言ってもらえて、すごく嬉しかったんです。そして、ゼミを選ぶ段階になった時に、最初は体育系のゼミに行こうと思ったんですけど、体育ゼミの先生から『今までスポーツをやってきたんだったら違うことやった方がいい』とアドバイスをもらい、『じゃあ、苦手だけど褒めてくれた美術をやってみようかな』と思って美術ゼミに入りました。そのゼミでは、石膏で彫刻を作ったり、子ども用の椅子を作ったり、自分でデザインして物を作る経験ができて、とても楽しいかったです笑」
 
 

突然の園長就任

 
新卒で入社したこども園を7年間務め、0歳児以外のクラスを全て経験してから、次のステップアップを考えた。ただ、初めての転職では、園長職を見据えていたわけではなかった。
 
「自分の結婚を機に、今後のライフプランの見直しをした結果、ステップアップしたいという思いが湧き、転職を決意しました。定員200名を越える大規模園だったので、自分自身、もう少し個別に関わる力を養いたかったのと、マネジメントも経験してみたいなと思っていたのもあって主任枠で募集をしていた小規模園を選びました」
 
「自分って何で保育をしたいと思ったんだろうって漠然と考えるタイミングがあったんです。その時に自分の好きなものを考えてみたら、育てるとか何かを更に1段階上げるとかっていう作業が結構好きなのかなという一つの思いに行きつきました。保育自体がそれにすごくフィットしてるなと思ったんですけど、この仕事をずっと続けていく上で、賃金のこととかも現実的に考えるとマネジメントも経験して自分に合うか合わないかを若いうちに確かめておいた方が、その後の動きがしやすくなるのかなって思ったんです」
 
「でも、主任として勤め始めた2ヶ月後ぐらいに、当時の所属園の園長先生が体調不良になってしまい、そのまま二番手だった僕が園長代行になって3月まで勤め、4月から正式に園長になりました。正直、新卒の時は園長になるイメージは全くなくて、主任にチャレンジしたいなっていう時も園長というよりは、まずは主任として育成とかマネジメントを体験してみて、自分に合ってるかを見極めてからその後を考えようと思っていたんですけど、全然そううまくはいかなかったですね笑」
 
主任、そして園長として小規模園を4年間勤めた後、新しい挑戦の機会としてエデュリーを選んだ。
 
「新規園の立ち上げは忙しくて落ち着かない期間が3年~5年ぐらいかかると思っているんです。今回の転職のタイミングも所属していた園が落ち着いてきて、自分の役割がひと段落したのかなと実感し始めてから、次のチャレンジを考えました。これまでは園の立ち上げ経験しかなくて、既存園に入っていくことはエデュリーが初めてでした。土台がある程度できている園に勤めることに多少に不安はありました。でも面接を受けた時に、社長のパワーをすごく感じて、ここで働いたら面白い経験ができそうだなって感じました」
 
 

新卒の頃の自分にアドバイスするなら

「どの保育園に行っても楽しくなるかならないかは結局は自分次第なことがほとんどなのかなって思います。だから選り好みせずに自分を求めてくれたところでどう頑張れるかを考えた方が手っ取り早いよと伝えますかね。保育方針ももちろん大事だけど、そこでどうできるか、何ができるかが重要なので」
 
スッキリとした回答をしてくれた池田園長だったが、学生時代は真逆の考え方だったそうだ。
 
「でも、昔はすごく失敗や変化を恐れていました。新卒当時はずっと同じところで勤め上げようって考えてました」
 
「27歳の時に、親父が亡くなったんです。そのタイミングで、急に自分が家のことをまとめる立場になったんですよ。そこで色々吹っ切れたんです。悩んでる暇はないというか、いつ死ぬかなんて年齢や状況なんて関係なくわかんないから、やりたいことは素早く判断して動いていかないともったいないなと」
 
自分がいなくても回るような自立的な組織を作るという話など、お父さんとの話を「ファザコンじゃありませんよ」と言いながらたくさん語ってくれた池田園長。エデュリーに就任して1年で入園希望者は急増し、「どんな魔法を使ったのですか」と役所から言われるまでの人気園になった。そんな池田園長は就任直後から目の前の環境に実直に向き合ってきた。
 
 

社長から言われた「熱がない」

 
「コロナで外に出る機会が減っていたこともあってか、入社した4月の最初の頃は、子ども達の座っている姿勢がちょっと取れてないっていうのを感じたんです。そこで運動量を増やすことをまずは意識していきました。1日の保育の流れを少しずつ見直していったんですけど、スタッフみんなの実行力がすごくあって、動きが速い。課題もどんどん解決していくので、大変だなと思いつつ、すごいワクワクしていたのを覚えています」
 
エデュリーに来てからの自分自身の変化を聞くと、Mじゃないですよと笑いながら、入社半年後のエピソードを話してくれた。
 
「社長に見学者対応のフィードバックをもらった際、『池田園長は熱がないですね』と言われたんです。実は元々、自分でも自覚していた部分でもあって、それを半年足らずでさらっと見抜かれんたんです。ちゃんと見てくれているんだなって嬉しくなりました。見てもらってる分、やらなきゃなって思ったのがあのタイミングでしたね」
 
「今は、職員とのコミュニケーションもイメージを持って伝えることを意識していて、以前より話がしやすくなったというのもありますし、保護者対応してる時もエピソードを意識して話すようにしてから、やっぱり伝わってる実感が増しました」
 
 

現場に入ることで見える景色

本当に素敵な職員ばかりだと常々口にする池田園長。チーム一体となって、理想の保育を作っている。
 
「できる限り、現場に入りながら職員から課題を聞いて、その場でアドバイスすることを意識しています。『相談があります』と言われて面談をして、課題解決することも必要だとは思うんですけど、保育の特性上、その場でその姿を見た上でじゃないと解決できなかったりとか、改善策を見出すことができないことってたくさんあると思うんです。」
 
「散歩に一緒に行ったところで話す内容が重要になってくるっていうのはエデュリーに来てから凄く感じた部分でもあります。更に現場に入る時間が増えて、事務の時間が捻出できなくて困っているんのですが、今後も大切にしたいと思っている部分です」
 
 
 
 

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