
午前と午後、戸外と室内。遊びを繋げる環境作り

遊びの広がりに応じて、室内環境を変化させてきた【未来のツリー保育園】の1歳児クラス。
12月中旬には構成コーナーを【ブロック】【机上】【乗り物】で遊ぶ場所を分けてみました。
興味の深まりとともに、1月末には日常の要素を取り入れた【乗り物コーナー(街づくり)】へと進化を遂げています。
どのようにコーナーが生まれ、発展していくのか、写真と共に見ていきましょう!


こちらは12月下旬の構成コーナーです。
手指の巧緻性や空間認知能力の発達に合わせて、パズルやデュプロ等の玩具を新たに用意することにしました。
その際に構成コーナーを3つに分類したところ、遊びがぶつからず、集中して遊び込む姿が見られるようになりました。
Point1
コーナーの中で遊びの要素が複数出てきた場合には、スペースを分け、目的が混在しないようにする。
3つのコーナーの中でも特に盛り上がりを見せているのが【乗り物コーナー】
以前からお散歩に行くと乗り物を指差したり、乗り物図鑑を嬉しそうに眺めたりする様子が見られていた為、お散歩の際に出会った乗り物の写真をお部屋の中に貼ってみることにしました。


Point2
お散歩に出かけた際に見た写真をお部屋に貼ることで「〇〇で見たね」や「また見に行きたい!」等、自分事に感じられたり、戸外活動への意欲に繋がったりする。
乗り物で遊べるスペースを確保していたものの、車をコーナー外の棚に走らせる姿があった為、机を用意して走らせやすい場所を設けたり、机の上に道路のマスキングテープを貼ったりと、コーナー内で遊びたくなるような工夫をしました。
すると、“車は道路の上を走っている!”という、子どもたちの認識と一致したようで、テープの上を走らせてみる姿が!
テープを重ねて十字を作ってみた際には「右に曲がりまーす!」と遊びが更に深まっていきました!


Point3
- 【乗り物コーナー】ならではの環境を作っていくことによって、どこで遊べばいいか子どもたち自身で感じ取ることができる(保育者の言葉で遊びを中断する機会が減る)
- 共通の興味を持った友達が集まってくるため、関わりや新しい遊びが生まれる
- イメージが膨らむようなアイテムを、子どもたちの様子に合わせて増やしていくことにより、次の展開に繋がるつぶやきや行動が見えてくる
お散歩を通して、乗り物や建物を見ていく中で、道路には乗り物だけではなく様々な物があることに気付きました。
「あそこには病院があるね」「ピーポー(救急車)は怪我した人を助けるよ」や消防署へ立ち寄った際には「ウーカンカン(消防車)は火事が起きたら水をシューっとかけるの」等、車種や場所によって、どんな役割があるのかも理解していました


Point4
- 本物を見に行くことによって知識やイメージが深まっていく。また、新しい発見や興味に出会うことができる。
- 遊びを室内に留めることなく、興味のあるテーマは1日を通して展開していく。
お部屋に帰ってきた際に子どもたちから出てきた施設名をビニールテープとペンで追加してみたところ「次は薬屋さんに停まります」と停留所に見立ててみたり、「神社でお参りします!」と手を合わせてみたり…
建物の出現により、ただの十字のテープが街へと変化していきました☆


Point5
- つぶやきや興味はタイムリーに環境へ反映させていく。
- イメージを具現化する方法を見せる、伝える。(無から有を生み出す手本となる)
子どもたちの興味や場面に応じた保育者の仕掛けを通して【乗り物コーナー】から【街づくり】へと遊びが発展しています。
1つのテーマに固執したり、保育者の想いで広がりを制限したりすることなく、“今、子どもたちはどんな事に興味があるのか”を大切に進めていくと、大人には思いつかなかった、子どもたちならではの面白い世界に出会えそうですね!
1歳児クラスの今後の展開が楽しみです!