育休明けの保育士としての「大きい」変化とは?
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育休明けの保育士としての「大きい」変化とは?

 
自分の将来を考える中で、子育てにおける生活の変化が大きそうなことは何となく想像がつく。しかし、その過程で実際にどのような変化があるかを想像することは簡単ではない。また、すでに子育てをしている人からすると、どのように両立できるかは、働く時間や通勤距離だけでなく、職場の風土も非常に重要である。育休復帰後に保育士としての仕事に「大きな変化があった」と語る石田先生に働き方を聞いた。
 
この記事に登場する人
2019年にエデュリーへ入社し、乳児や幼児などのクラスを担任。21年に産休に入った後、22年に育休から復帰し、現在は1歳児クラスを担当する。
 
 

産休前の仕事の内容

「つわりがあったとしても、保育中は多分気が張ってるんでしょうね。私はそこまでつわりがひどくありませんでした。『ちょっとこの仕事は難しいです』と言いやすい職場なので、周りの方もすごく気にかけていただいて、最後の方は絵本を読んだり、座ってできる仕事を中心にやっていました。すごくありがたかったです」
 
「お腹が大きくなると、砂場で遊んだりするような、しゃがむ作業がきつくなってくる。あとは足がつりやすいので、子どもたちと遊んでいる最中に『ちょっとごめん。待ってね』みたいな感じでつった足を戻していました笑」
 
「職場へ復帰した際は、自分の子と同じ年代のクラスを任せてもらえたこともあって、親御さんとの親近感を感じることがすごくありました。なので、私自身も余裕を持って、職場に戻れました」
 
仕事に復帰するまでの期間を経て、保育士として仕事の価値観が大きく変わったと言う。
 
 

親の求めることと、保育園の役割

「すごい変化がありました。今は便利なものが増えてきてるので、こんな風に子育てが楽になってるんだという気づきや自分で勉強していた頃の保育と、今のお母さん達が求めている子育て情報がだいぶ変わったのかなと感じました
 
例えば、綺麗好きなお母さん達が多かったりすると、おうちをなるべく汚さないようにしている。食事の際はお母さんが全部食べさせてあげてたり、『汚さないで』『これダメ、あれダメ』って言葉が増える。きっと私も家では『そこ汚しちゃダメ』とか『それ持たないで』みたいに言ってる瞬間があるんですよね。でも、乳児の子どもからしたら、なぜダメなのかわからない。そうすると子どもはご飯が嫌になって、なかなか食べなくなる。実際にご飯を食べてくれないという悩みを持つ親御さんもたくさんいて
 
保育園では、たとえ汚してしまっても、自分の思うがままに食べることで、食への興味が湧いて、食事の時間は楽しいことを子ども達に知って欲しかった。なので、感触遊びやおにぎりの大きさ、嫌なものは嫌なので、変に完食を目指さないことなどペアの看護の先生と協力して進めました。自分自身、以前は時間に追われて、『あれやらなきゃ。これやらなきゃ』というのがあったので、その面では保育士としての自分に余裕が生まれたのかなとは思います
 
今は持ち上がりで1歳児を見てるんですけど、食事をすごく綺麗に食べるようになりました。放棄する子がいないんですよね。もう嫌だ、スプーン持たないみたいな子がいないので、こういう風にやるといいんだなっていうのは身に染みて感じてます。(同じ年代の子どもが生まれたことで)家庭目線と保育士として何を提供できるかということを両方考えられたので、凄くそれが良かったです」
 
 

家庭と仕事

当然、小さな子どもがいれば生活は大きく変わるが、その中で、家庭の時間を「協力」と「諦め」をもとに両立していると言う。
 
「負担にはなっていると思うんですけど、旦那さんの協力がものすごくあります。職場復帰する前に家族としっかり相談しながら、仕事にもフルで入って働かせてもらっています。本当にありがたい存在です」
 
「あとは全部をちゃんとやらなくていいんだなっていうのは凄く思っています。子どもがいると、どうしても部屋は散らかるし、洗濯物がそのままになったり、お皿を誰が洗うんだみたいなのもあるんですけど、もうやらなくても平気ぐらいに思わないと多分やっていけないなって。
 
子どもがいると休める時間はほとんどありません。私はディズニーが好きで、2歳の子どももディズニーをすごく好きになっているので、たまにディズニーに行ったり、自分も楽しみながらリフレッシュしています」
 
「小さいお子さんを抱えながら、保育士さんが職場復帰するってすごく大変だと思います。やっぱり自分の子どもが熱を出して、突然お迎えになったり。そこで、最初は『すいません』となりますが、すいませんの後に必ずありがとうと伝えるように意識しています。『ごめんなさい』だけじゃなくて、『ありがとう』という言葉が職場だけでなく、子どもや旦那さんとの間で飛び交うようにしていきたい」
 

保育士としての挑戦

石田先生は、乳児にふさわしい経験を積めるよう保育をアップデートしていく。
 
「靴下を自分で履けるようになるには手先の運動ができるおもちゃを増やしていこうとか、遊びを選択できる環境にしようとか、子どもたちの発達や遊びの見通しを立てて、保育環境を作っています」
 
「乳児はまっさらな状態から始まることが多いので、保育士が上手く色づけしていけるように、危なくない範囲で、何の経験をどのようにして積んで、幼児で花開くようにしていくか。抽象的な言い方にはなってしまいますが、その土台作りを乳児のうちからやっていきたい」
 
遊びの選択をする中で、積み上げ段階の乳児期において難しさもある。
 
「習慣化するまでは大変です。子ども自身が手に取れる環境にすると、最初はあれもこれもどんどん取ってきてしまう。最初はどんちゃん騒ぎでした。でも、最初だけそれがグワーッとなっていましたが、何日か経つと落ち着いて、最後は一つの遊びにみんな集中している時間がポッと現われる」
 
そこから、ふさわしい経験ができるよう、保育士が仕掛ける。
 
「この子は比較的ブロックのところで遊んでいるけど、たまにフラっとくるな。この子の遊びが発展するために、車の絵を色塗りできる環境を作ってみようとか。全員分考えなきゃいけないのは大変ですけど、それがパチッとハマった時に『やった!』と思います」
 
生活や仕事の変化を楽しみながら乗り越えている石田先生に、もし保育園の面接に行くなら今は何を一番重視するかを聞いてみた。
 
「職場の方たちの笑顔は見ますかね。仕事しててツラいのは嫌じゃないですか。朝起きて最悪のテンションで行かなきゃみたいな。今日も楽しみと思えるような職場がいいなとは思います」
 
「今の園はワンチームな感じがして、その点は胸を張って言えるかなと思います。みんなで助け合いながら、難しい場面でも『解決していきたいよね』っていう前向きな気持ちで言ってくださるので、すごく子どもたちと向き合ってるチームだなと感じます」
 
 
 
 

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