
300園超の大手法人からエデュリーへ、コロナを機に生まれた想いと新たな挑戦

大手の法人にて、保育士や主任を務めてきた野口園長。実は前職で過去にも園長打診を受けたが、断ってきた。なぜ、一度保育業界を離れてから、新たにエデュリーで園長に挑戦しようと思ったのか聞いた。
この記事に登場する人

8年間、大手企業にて保育士・主任を務めた後、ベビーシッターに転職。その後、2022年にエデュリーの企業主導型保育園の園長に就任。
断った園長打診

「保育士として、大手の株式会社でキャリアアップさせてもらい、主任として働いていた際に園長のお話をいただきました。ただ当時は、1人の保育士として、本社の方から知られていない中で、自分が園長を引き受けることに戸惑いがあって、何度も本社に呼ばれてお話は頂戴したんですけど、お断りしました」
コロナ禍の緊急事態宣言で保育園も登園自粛となる中、野口園長は保育士としての価値観を見直し、ベビーシッターへの転職を決意した。
「コロナの緊急事態宣言で、保育園に預けたくても預けられないご家庭が数多くいました。ベビーシッターの需要がすごいあって、数分単位で依頼が来る。ベビーシッターとして、保護者の方から相談される機会がたくさんあって、みんな良い保育園を求めているんだなというのをすごく感じました。ベビーシッターも保護者の方やお子様にとっては為になることだと思って1年間やったんですけど、『良い園を作りたい』という気持ちが強くなり、保育園に戻ることにしました」
園長職のイメージは「厳しい」「ミスが許されない」というネガティブな印象もあり、園長になるつもりはなかったという野口園長。これまでの自身の経験と良い保育園作りへの近道として、今度は「園長」を選択した。
実際に園長になってみて

「園長はどんな時でも平常心を心掛けないといけないなっていうのをすごく感じました。園長に限らず、平常心は大事ですけど、良くも悪くも園長という存在は周りに影響が伝わりやすい。現場はコミュニケーションひとつで解決する事がたくさんあるので、何か気になったことがあれば、話しかけていいタイミングかな?とか、これでいいのかなとか考え過ぎず、すぐ話す。課題があれば解決するのが一番なので」
転職1年目かつ初めて園長というポジションに挑戦する中、実行スピードが速い野口園長。それは、自ら積極的に吸収しにいく姿勢があってこそなのかもしれない。
「困ったことがあれば、すぐに他の園長に連絡する。特にコーナー作りでは、乳児のクリエイティブタイムの実現を一つの目標にしているのですが、毎月のように職員たちと悩みながら、試行錯誤しています。他の園長先生に『コーナーの写真を撮って見せてもらえますか』と聞いたり、園長会の資料を職員にも共有したり。めげそうになることも沢山ありましたが、自分自身のわからないことやできないことを恥ずかしがらず聞けるタイプなので、1年目は色々なことを積極的に聞きに行きました。
でも、年数が経てば経つほど、自分でやらなきゃいけない部分も増えると思うので、今のうちに聞けるだけ聞いてます笑」
何百施設もある大手企業から、エデュリーに来た野口園長。エデュリーの良いところや悪いところを聞く中で、会社の雰囲気や保育の中身などやはり異なる点や戸惑いもあったと言う。
大企業からエデュリーに来て

「あたたかい会社だなと感じます。前の職場は規模が大きいので、スタッフ一人一人は知られていないんですけど、エデュリーは本社の方や社長が、正社員やパート関係なく職員のことを知ってるじゃないですか。もちろん園長面談とか厳しいところは厳しくというメリハリはありますが、わからないことを聞けばすぐに答えてくれたりとか、すごく丁寧に教えてくださるので、そこは転職してみて、びっくりしたことです」
「一方で、前職は1分単位で残業代が出ていたので、エデュリーではそもそも残業がほとんどありませんが、現場のスタッフからすると、そこがあると嬉しいのかなと思います(※エデュリーでは10時間分の固定残業代が給与に含まれている)」
前職との保育の違いに対しても、トライ&エラーを繰り返しながら、主体性保育を吸収していく。
「おやつの後にクリエイティブタイムを設けている中で、保護者の方からも『家で自分で作ったものでずっと遊んでます』『色々な経験ができています』という声もいただいたりして、保育園でやっていることが保育園の中で終わりではなく、家庭の中の変化にも繋がってきているのかなと実感しています」
「これまでは一斉保育をしていたので、最初は戸惑いもあって、一斉保育が抜け切れなかったです。活動に入る時に、『おいで〜』とか『先生のお話を聞いて〜』みたいになっちゃうこともあって。エデュリーの保育は一人の人間としての尊重をすごく感じました。仮に活動に興味がない子がいても大人が無理強いすることはない。子どもも他のお友達の楽しそうな姿を見てると自然に輪に入る。保育を通して、『こういうことなんだ』と実感する場面がたくさんありました」
「去年、1・2歳児でお買い物に行ってみようとなった時、普段のお店屋さん遊びから、お金があることを一緒に学んだり、お金を手で持っていたら落としちゃうから自分たちでお財布を作ったり、どんどん遊びがひろがって。実際にお店に行った時に、子ども達がお店に入った瞬間に目的のものを探して『あ、これだ』みたいになって、レジに行く姿にはすごい感激しました。日々の保育から子どもたちが自分で考えて、こうしたいというのを実現する過程で、1・2歳からでも、こんなことまでできるようになるんだなというのが面白かったです」
良い保育園を作る

良い保育園を作りたいというキッカケは、自分自身の過去の経験まで遡る。そして、エデュリーという枠だけでなく、保育という仕事を楽しいと思える仕事にしたいという想いを持って、挑戦を続けている。
「若い職員たちが保育業界に入って、たくさん辞めていく光景を目の当たりにしていたんですね。自分自身、その間に入る役割だったりして。なので、職員が生き生きと働くには、やっぱり園長って大事な存在だなって思っていました。別に嫌われないようにとか、馴れ合いをしようとかではなく、メリハリは大切ですけど、一人ひとりの職員たちと本音で話しながら、前に進んでいけるチームを築いていきたいなっていうのは私の目指していることです」
